人間尊重とは、各人が各自の良心と愛情に従って動く中で、神様が与えてくれた
それぞれの自由意思や個性、能力、文化(人間性)がそのまま受け入れられ、
尊重される状態のことです。
ペットの幸せは、飼い主が決定できますが、人の幸せは、一人ひとりが、自分で判断し、
自分で感じ取っていくもので、他人が決められるものではありません。
人間尊重は、このように人間が生まれながらにもつ自由意思が尊重される、人にとって
自然な状態を目指します。
一人ひとり、みんなの考えが、みんな大切
私たちは、暮らしの中で、知らず知らずのうちに、世の中に対する「感じ」を感じ取って、生きています。
たとえば、私たちの生活が仕事や消費のようなお金をめぐるものだけだったらどうでしょう?
仕事では、ともすると、「能力なきもの、意思なきものは去れ」「Give&Take」といった
非人間的な道理がまかり通ってしまいます。消費でもやはり自分や欲望中心の道理がまかり通ってしまいます。
このような世の中にあって、もう一度、世界が、ひとりひとりが大事にされ尊重されている恵みのあるところであり、
また、本当の愛情には本当に愛情で応えられる豊かなところであると、思いだすためには、人間尊重の原則に
のっとった居場所を、イベントではなく、生活の中に作り、バランスをとっていく必要があると考えます。
私たちは、ゲストハウスはそのような場所となりうると考えています。
人のつながりのめぐみと豊かさを思い出した、コミュニティのある暮らし
コミュニティは、ともすると、個人の個性や考えを奪い取り、個人を支配する恐ろしい力を持ちえます。
私たちは、生活の根本である住まいとともにある、ゲストハウスというコミュニティにおける、
人間尊重の大切さと責任の重さを自覚し、すべての運営判断に反映させてまいりました。
私たちが、大切にしてきた、人間尊重のための三つの価値観(自由、信頼、多様性尊重)について、解説します。
生活文化は日本人であっても、多様です。まして、外国人の生活文化は日本人の常識を超えています。私たちは、
唯一つの常識に従うことよりも、各自の良心の声に従い、それぞれの多様性を認め、許容していくことを大切に
したいと思っています。
正しいことを監視・指摘したり、議論するのではなく、ただ、違うのだということを認めることを学んでいくことは
大変価値があることだと考えます。
そのため、(怒ってもいいが)、人が上から目線で他の人を裁くことの少ないルール、文化づくりを目指しています。
多様性の尊重を大切にしているので、常識の基準となるような細かいルールは設定していません。
私たちの大切にする信頼という価値観は「信頼されること」ではなく、「信頼すること」です。
与え、与えられる喜び、親切で、善良な大人が、親切で、善良な大人とともに暮らす喜びを味わっていただきたいと考えています。
Give&Takeではなく、むしろ、「あなたがうれしければ、私もうれしい」。
安心できる関係性の中で、計算ずくのGive&Takeより、お互いがもっとうれしいWin-Winな関係がどんどん生まれ、
なにより、お互いが本当に信頼され、尊重されている感覚をもっていただけるとよいなと願っています。
信頼することを大切にしているので、信頼されることの基準となるような細かいルールは設定していません。
私達は、私達のハウスが学校の修学旅行のような集団行動の場ではないと考えています。
私たちは、「みんなで決めたことをみんなで守る」「期待されていることをやる」
のではなく、「自分自身で良い・嬉しいと判断したことをやる」事を求めることにしています。
判断も、評価も自分自身。そのようにしてこそ、本当の意味で、自由な文化が確立できると考えています。
自由な文化には、日々の工夫や驚き、楽しみや喜び、感謝があります。これを味わってください。
他人を変えることはできません。変えられるのは自分です。けっして平等ではない世の中で、
主体的に周囲を幸せにし、豊かにしていく力を養っていただければと思っています。
主体性を大切にしているので、協調性の基準となるような義務、当番は極力減らしています。